小岩駅の改札前に立っている力士の銅像は何者?

JR総武線の各駅停車が止まる小岩駅前には、お相撲さんの像が建てられているのですが、これは誰なのでしょうか。力士というからには当然相撲界で活躍した人になるのはわかるでしょう。この人は第44代横綱の栃錦です。1925年に生まれて、1990年に亡くなっているので、団塊の世代の人であれば知っている人も多いでしょう。身長は177センチで、体重は132キロなので、相撲取りとしてはそれほど大きな体格ではありません。それでも序二段という番付のときに1度負け越したことがありましたが、後は順調に勝って十両まで上り詰めました。

それからは決して順調であったとは言えませんが、確実に勝利を重ねて1954年の9月場所で44代横綱となったのです。この時代は相撲がとても人気であり、日本人の横綱もたくさんいた時代になります。そのため、横綱になるのはかなり大変だったのですが、この後は持ち前の強さを発揮し続けたことで、同じく当時横綱であった若乃花と並び、栃若時代と言われるようになました。優勝回数は10回あるのですが、多くの横綱大関が存在していたことを思えば、このときの優勝には現在より遥かに価値があると言えるでしょう。

1960年の5月場所で引退しているのですが、幕内通算531勝という記録を残し、引退当時は歴代最高記録だったのです。このような偉大な記録を残したことや、絶大な人気があったからこそ駅前に銅像が建てられたと言えるでしょう。引退後は親方となって、1横綱1大関を育てたので、指導者としての才覚も十分発揮したことになります。現在では駅前で待ち合わせをする人の定番の場所として利用されていることでもわかるように、シンボル的な存在になっているのです。